2014年1月226日(日)締切 選者 望月 弘 小林信二郎 菊地 京 投句総数121句 |
最多得点句 さよならを告げるスクランブルエッグ 松尾冬彦 | ||||
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特選 | ||||
垂乳根は微笑みながら春を待つ | 和田洋子 | |||
秀句 | ||||
あの日から波の音しかしない胸 | 米山明日歌 | |||
この下に眠るモーゼも十戒も | 安藤なみ | |||
法律に触れぬ程度の天邪鬼 | 毛利由美 | |||
佳句 | ||||
平成の軍靴がここで眠ってる | 葱坊主 | |||
反抗期危険なものに触れたがる | 真田義子 | |||
通せんぼされても虹は掴みます | 赤松ますみ | |||
団栗は危険地区にもころころと | 東川 和子 | |||
触れないで只今工事中の僕 | 闘句朗 | |||
樹上では熟柿が一つ落ちかける | 山田こいし | |||
実印をみせると花の咲く花壇 | 米山明日歌 | |||
雑草の雑と言う字に僕は住む | 小林信二郎 | |||
作戦は上々 秘密基地造る | 和田洋子 | |||
公園の柵が過保護な子を作る | 橋倉久美子 | |||
近づいて欲しくてちょっと遠ざける | 勝又 恭子 | |||
危ないと安全圏で騒ぐひと | 藤田めぐみ | |||
リセットをして人間に戻ります | 松尾冬彦 | |||
まっとうな俺を滅ぼす好奇心 | ゆまろ | |||
そのうちにバラを一面咲かせます | 真田義子 | |||
さよならを告げるスクランブルエッグ | 松尾冬彦 | |||
くちびるが一歩手前で引き返す | 東川 和子 | |||
いま書いておかねばやがて枯渇する | 佐野 由利子 | |||
禁断のリンゴへ誘う声を聞く | 勝又 恭子 | |||
毒蜘蛛が潜んで君を狙ってる | 酒井可福 | |||
[選後感」 | ||||
皆さんの感性のある句に圧倒されました。読み進めると、 どの句も向き合ってきて取捨選択に苦労しました。 選をすることの難しさ、大変さを改めて感じながら、より強く訴えてくる句を選びました。あとは、読んでくれる皆さんが、それぞれに受け取っていただくのが印象吟の良いところだと思い、個々の選評は控えさせていただきました。 望月 弘 |
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小林信二郎 選 | |
特選 | |
禁断のリンゴへ誘う声を聞く | 勝又 恭子 |
秀句 | |
ハードルの向うに新しい大地 | 新家完司 |
結界の向こうで絡むリンパ線 | 赤松ますみ |
でも私きっとスイッチに触れる | 勝又 恭子 |
佳句 | |
そのうちにバラを一面咲かせます | 真田義子 |
通せんぼされても虹は掴みます | 赤松ますみ |
実印をみせると花の咲く花壇 | 米山明日歌 |
無視されることは承知の木偶の坊 | 高浜 広川 |
もう一度誘われたなら鍵の音 | 菊地 京 |
振り切った線量計が埋めてある | 板垣孝志 |
箱入りのガードだんだん緩くなる | 毛利由美 |
怪我したくなければその先は聞くな | かつお |
看板が目立たぬように伸びる草 | 橋倉久美子 |
気付かずに地雷を踏んだ過去がある | 佐藤彰宏 |
結界がゆらぐ吐息を拾われて | 藤田めぐみ |
思い出し笑いは場所を選ばない | 佐野 由利子 |
春の風柵の向こうも吹いている | 東川 和子 |
職安を出て公園で会うロダン | 風間なごみ |
人妻と清く正しいお付き合い | かつお |
さよならを告げるスクランブルエッグ | 松尾冬彦 |
母ちゃんが不機嫌隔離しなくては | 松田夕介 |
平成の軍靴がここで眠ってる | 葱坊主 |
入室は鱗落としてからどうぞ | 徳長 怜子 |
危険です その先恋の 火種埋め | 芹沢穂々美 |
[選後感」 | |
写真を見ると何が危ないのか解らない、 見ようによっては柵内の方が安全に見える、 危ないものは 妻・親父・核汚染・戦争・自身の心・など色々あろうが今回特選は「危ない心の揺れ」を頂きました。 生きて行くのにはワクワク・ドキドキも必要ですね 300000アクセス句会までお元気で・・・ 小林信二郎 |
菊地 京 選 | |
特選 | |
さよならを告げるスクランブルエッグ | 松尾冬彦 |
秀句 | |
敵地にもすみれを踏めぬ兵がいる | 徳長 怜子 |
団栗は危険地区にもころころと | 東川 和子 |
雑草の雑と言う字に僕は住む | 小林信二郎 |
佳句 | |
通せんぼされても虹は掴みます | 赤松ますみ |
頷いてくれるときまで待ちますね | 中前棋人 |
職安を出て公園で会うロダン | 風間なごみ |
でも私きっとスイッチに触れる | 勝又 恭子 |
この地球誰のものでもないのにね | かつお |
結界がゆらぐ吐息を拾われて | 藤田めぐみ |
家系図にDNAの紙魚がある | 望月 弘 |
リセットをして人間に戻ります | 松尾冬彦 |
反骨が秘密法から嫌われる | 中前棋人 |
危ないと安全圏で騒ぐひと | 藤田めぐみ |
近づいて欲しくてちょっと遠ざける | 勝又 恭子 |
夫婦げんか横目にそっとお煎餅 | 松田夕介 |
あなただけ特別入る穴がある | 中嶋安子 |
そのうちにバラを一面咲かせます | 真田義子 |
挑戦状一休さんへ突きつける | 山田こいし |
入室は鱗落としてからどうぞ | 徳長 怜子 |
気付かずに地雷を踏んだ過去がある | 佐藤彰宏 |
くちびるが一歩手前で引き返す | 東川 和子 |
触れないで只今工事中の僕 | 闘句朗 |
ここからはひょうたん島へ行けません | 石橋芳山 |
「選後感」 | |
250,000アクセス、おめでとうございます。 現象、心象、時事、男女の機微…楽しませていただきました。 「狭く入って、広く詠む」のが印象吟。特選句、さよならの形、色、音までも想像させる深い句。秀句、「雑」は諦めでなく決意、「団栗」という安全パイに見せかけたスパイ、祈りの「すみれ」を包んでいる視線。 どの句も無機質な1枚の写真が持つ可能性を広げてくれました。 ありがとうございました。 菊地 京 |
個人別成績優秀者 | ||
順位 | 氏名 | 得点 |
1 | 勝又恭子 | 9 |
2 | 松尾冬彦 | 7 |
3 | 東川和子 | 6 |
4 | 赤松ますみ | 5 |
5 | 和田洋子 | 4 |
6 | 米山明日歌 | 4 |
6 | 徳長怜子 | 4 |
8 | 真田義子 | 4 |
8 | 藤田めぐみ | 4 |