400,000アクセス記念句会  平成30年2月17日達成
   
選者:島田駱舟
    鈴木順子
    中前棋人
    (3人共選)
最多得点句 こころざし未だ弾丸の如くあり 新家完司  6点
   
 
 
嶋田駱舟選
特選 偉そうに見えて危うい座標位置 彦翁
秀句1 何もかも収める位置に母が要る あつこ
秀句2 ボールペン走れあの子娘にプロポーズ 孝井 栞
佳作1 神さまの気まぐれだったビッグバン 春爺
佳作2 よくしゃべる口にアメちゃん放り込む 勝又恭子
佳作3 わたしから逃げそうなのよ白鳥座 西村みなみ
佳作4 くらやみにいても日本を探してる 真島 芽
佳作5 我慢した地球にうっすらと春が       赤松ますみ
佳作6 幻なのだろうニュートンのリンゴ 平尾正人
佳作7 磁場の罪地球のろれつが回らない 龍せん
佳作8 真夜中にこっそり泣いている地球 米山明日歌
佳作9 お迎えは夢だったのね朝ぼらけ 綾女
佳作10 一人だけ浮いているのも疲れます 松尾冬彦
佳作11 アトラスを肩凝りさせている地球 宮本彩太郎
佳作12 極東の国が極右になっている 毛利由美
佳作13 首の輪を外してからの拒食症 平井美智子
佳作14 定年後宙ぶらりんの喉仏 佐野由利子
佳作15 独りです? でも孤独死じゃありません 月波与生
佳作16  宇宙でも対応します掃除ロボ  山田 こいし
佳作17 こころざし未だ弾丸の如くあり 新家完司
佳作18 神様と一緒に昼寝しています 真島清弘
佳作19 教会の聖歌を蟻になって聞く 真島久美子
佳作20 思い切り跳ねて着地が見つからぬ あつこ
佳作21 矢印は球形どこへでも行ける 徳長 怜
佳作22 上げ底の敵意ただいま浮遊中 平井美智子
佳作23 なにもかも手にしてからの軸がない 永見 心咲
佳作24 弟のポケットにある兄の位置 月波与生
佳作25 蹴飛ばせば墓場へ飛んで行く地球  西山竹里
選評
地球を詠んだ作品がかなりありましたが、印象吟
ですから出来るだけ全体のイメージから詠んだほ
が脳トレ、イメージ力養成になるでしょう。しかし、
地球を詠んでは印象吟にならない、ということでは
ありませんので誤解のないように。
特選は浮かんでいる状態を「危うい」とみた発想を、
また秀句は「走れ」と「収める」のイメージ力を買い
ました。駱 舟
 
 
中前棋人選
特選 追伸の句点を太くしてやった 森山文切
秀句1 たも網で捕る大谷のホームラン  山田 こいし
秀句2 こころざし未だ弾丸の如くあり 新家完司
佳作1 神さまの気まぐれだったビッグバン 春爺
佳作2 ガンダムとヤマトが守ってる地球 海賊芳山
佳作3 俯瞰してみたらちっぽけかもな 悔い 松田夕介
佳作4 月からの使者が羽生を連れにくる 句ノ一
佳作5 百年後地球は青いままかしら よったま
佳作6 アトラスを肩凝りさせている地球 宮本彩太郎
佳作7 虹色のオーラ心臓へと受ける 真島美智子
佳作8 酒は飲む地球がどっち回りでも 松田夕介
佳作9 唇に星をかじった跡がある 森山文切
佳作10   花びらを太巻きにして蕾の香 孝井 栞
佳作11  宇宙でも対応します掃除ロボ  山田 こいし
佳作12 オンカロの10万年は夢一夜 佐藤彰宏
佳作13 シルクロードを越えたら虹が待っていた    赤松ますみ
佳作14 太陽は平等ですか飢餓の国 小林信二郎
佳作15 ランドルト環に余計な愛がある    紅雀
佳作16 よくしゃべる口にアメちゃん放り込む 勝又恭子
佳作17 飲み込むか齧ってみるか思案中 圦山 繁
佳作18 丸洗いしよう汚れてきた地球 橋倉久美子
佳作19 幻なのだろうニュートンのリンゴ 平尾正人
佳作20 十年後私もきっと無重力 真島 凉
佳作21 弟のポケットにある兄の位置 月波与生
佳作22 数々のマグマ 見せない妻が美しい 五貫
佳作23 定年後宙ぶらりんの喉仏 佐野由利子
佳作24 大仏の目玉に写る世界地図 北田のりこ
佳作25 四〇万で買った地球のおもちゃ 丸山 進
     (選後感)
    一番多く詠まれていたのは地球。他に宇宙、世界など。
これで半分強を占めていた。
 この物体{映像)からはまあ想定の範囲だったともいえる。その意味でここは特選、秀句から外した。  棋人
 
 
鈴木順子選
特選 こころざし未だ弾丸の如くあり 新家完司
秀句1 手毬うた地球で遊ぶ神がいる 澁谷 さくら
秀句2 働いて回す回して笑いあう 句ノ一
佳作1 目ん玉がギョロリ世相を睨み据え 佐野由利子
佳作2 太陽は平等ですか飢餓の国 小林信二郎
佳作3 俯瞰してみたらちっぽけかもな 悔い 松田夕介
佳作4 中道の名が漁夫の利へ眠く居る 嶋田駱舟
佳作5 くらやみにいても日本を探してる 真島 芽
佳作6 光っているところは愛すべきところ 平尾正人
佳作7 他人のもの触りたくなる引っ込める 坂本加代
佳作8 弟のポケットにある兄の位置 月波与生
佳作9 何もかも収める位置に母が要る あつこ
佳作10 触ったら死にます 汚染されてます 吉崎柳歩
佳作11 守られているのか食われそうなのか 高浜広川
佳作12 究極の愛ね離れずくっつかず 青砥たかこ
佳作13 シルクロードを越えたら虹が待っていた    赤松ますみ
佳作14 虹色のオーラ心臓へと受ける 真島美智子
佳作15 ちょうどよい距離で浮いたら抱きしめる  水品 団石
佳作16 なにもかも手にしてからの軸がない 永見 心咲
佳作17 バランスを保ち守っている平和 橋倉久美子
佳作18 もう少しあなたが側に居て欲しい 宮本彩太郎
佳作19 一人だけ浮いているのも疲れます 松尾冬彦
佳作20 飲み込むか齧ってみるか思案中 圦山 繁
佳作21 自転する自由があって朝が来る 吉崎柳歩
佳作22 人絶えて宇宙遺産になる地球 丸山 進
佳作23 大仏の目玉に写る世界地図 北田のりこ
佳作24 そのうちに手足を出して時の人 北山まみどり
佳作25 酒は飲む地球がどっち回りでも 松田夕介
軸吟 どちらにも付かぬ決意の先に虹 順子                     
「お団子先生の函」ブログから、課題の写真を拝見した時に、
その難しさに何という安請け合いをしたんだろう、と反省しきり…
秀 句
 働いて回す回して笑いあう
上五「働いて」に納得しているうちに、地球儀を囲む世界中の人々の笑い声が聞こえて来るから不思議…。一音として難しい言葉を使っていない、衒いのない仕立てに作者の人柄と川柳愛を感じる。
手毬うた地球で遊ぶ神がいる
 作者の言わんとするところは重い。和の表現「手毬うた」がズシーンと深奥に沁みて行く、その風刺効果は絶大。
 特 選
こころざし未だ弾丸の如くあり
 特選句には未来ある作品をいただきました。人生一〇〇歳の時代、ぼやいて生きるなんて詰まらない。お迎えが来るその日まで、こころざし高く完全燃焼しなくっちゃ!です。
広範な着想の作品に、川柳の奥深さ、楽しさを、噛みしめながら選にあたらせてもらいました。川柳が結ぶご縁に感謝します。
ありがとうございました。順子
 
順位表 (個人別)
1  新家完司  6  点
 2  あつこ  4  点
 2  山田こいし  4  点
 2  森山文切  4  点
 5  彦翁  3  点
6   孝井栞  3  点
 句ノ一  3  点
 8  赤松ますみ 3   点
 8  佐野由利子  3  点
 8  松田タ介  3  点
 8  平尾正人  3  点
 月波与生  3  点
 8  宮本彩太郎  3  点
   総参加人数63名 
たくさんの投句ありがとうございました。 団 
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