発表　平成28年3月12日
平成28年1月25日加藤鰹享年51歳逝去 当ホームページにもよく遊びによってくださった、鰹ちゃんでした。 全国大会も含めあらゆる句会に引っ張って行ってくれた鰹ちゃんでした。 そして、柳友の輪をひろげてくれました。 みんなに愛された鰹ちゃんでした。 ボクにとっては仲間であり師でもありました。 あまりにも早い一生を悼み、柳友としてネット句会をもって法要としたく企画いたしました。 まもなく七七日を迎えますが、皆さんの句の力で明るく弔いご冥福を祈りたいと思います。 ※壁紙は虫食い川柳「ばふんうに」より。 団石拝
競吟：題詠（印象吟）2句吐き、６人共選 ↓の画像から幅広く印象を広げた印象吟です。
参加吟1句（追悼句）全句掲載
締切：平成２８年３月６日（日）　発表平成28年3月13日（日）
選者：高瀬　霜石 　　　　新家　完司 　　　　赤松ますみ 　　　　板垣　孝志 　　　　小林信二郎 　　　　望月　　　弘（順不同）

	高瀬霜石選
1	Ｒ１８案山子のように立っている	濱山哲也
2	ベッキーに止まれ止まれと言ったのに	小林信二郎
3	お止め召さるな　ただいま恋愛中	工藤　青夏
4	キミになら殺されたっていいんだぜ	松田　夕介
5	印籠にひざまずかずに生きている	門脇かずお
6	止まれとはご無体な回遊魚です	丸山　　進
7	この先で待ってるはずの焼き芋屋	青砥和子
8	男ですバカです知っていますとも	松田　夕介
9	天国に行くまで止まれない私	真田　義子
10	まぼろしを全速力で追っかける	藤原　鬼桜
11	一億はあるが六文銭がない	石川　憲政
12	止まったら一緒に泣いてくれますか	まみどり
13	楢山は左折原発は右折です	丸山　　進
14	太郎まだ竜宮城から帰らない	浪越　靖政
15	この指に止まれと言った指が逝く	平尾　正人
16	突っ走る人生それもよしとする	小松くみ子
17	トップギアそのまま宙へ飛びたった	斉尾くにこ
18	動きだす為の力を 溜めておく	鈴木　睦子
19	振り切って逝ってしまったナイスガイ	藤原　鬼桜
20	お空から見ててください鰹さん	鹿野　　椿
秀２	いい店を探しに先に行ってます	寺部　水川
秀１	二股が悪いこととは知っている	柳谷　益弘
特	身の丈を知らないぼくに風、くれた	西端　康孝
	選後感
主催者の言葉を借りれば「鰹は、ボクにとっては友だちであり、弟でもありました」。 ということで開催された追悼ネット句会。まだ皆さん悲しみを引きずってるようで、弔句っぽいのも多かった。ボクも同様、シミジミしていると鰹が言いましたよ。「霜石さんナニ湿気ってるの。まったくらしくもないじゃんか。いつものようにパパッと片付けてさ、美味いビール、クッーと飲んでくださいな」と。そこで気合を入れ直して選をしました。その証拠に、いいと感じた順に選んであります。ナニぃあなたの句がないって…おそらく２４番目ですゴメンナサイ。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　髙瀨霜石
	新家完司選
1	イヤリング落としてきたわバックして	東川和子
2	エンジンは背広の下にある微熱	藤田めぐみ
3	ここからは下半身だけ進めます	徳長　　怜
4	この指に止まれと言った指が逝く	平尾　正人
5	トップギアそのまま宙へ飛びたった	斉尾くにこ
6	パスポート安く売ります彼岸行き	葱坊主
7	ぶつかってやっと止まった逆走車	毛利　由美
8	まぼろしを全速力で追っかける	藤原　鬼桜
9	穏やかさまとってウエストのライン	斉尾くにこ
10	回遊魚にストップなんてそれは酷	内田　厚子
11	蟻ン子は止まれなんて字知らないよ	前田　楓花
12	指示通り生きてもなんも旨くない	小松くみ子
13	字の読める鳥が時々来てとまる	板垣　孝志
14	生き方を変えると九十九折りになる	和田　洋子
15	赤信号歩きスマホも止まらせる	毛利　由美
16	天国へ行く検問に引っかかる	瀬田　明子
17	標識を見落とすなんと言う短気	松本　清展
18	未体験ゾーンへ棹をさしてみる	和田　洋子
19	立ち竦むこの世あの世の境目で	斉藤　綺羅
20	印籠にひざまずかずに生きている	門脇かずお
秀句2	サクラサクまでは面会謝絶です	赤松ますみ
州句1	病室は峠の茶屋のようなもの	石川　憲政
特選	校則を破りクジラを追いかける	門脇かずお
	選後感
印象吟のおもしろいところは、課題の写真にピントを当てるのではなく、写真はあくまでもヒントであること。 従って、生まれ出た作品群に共通点は少なく、選考に当たっては、自由吟と同じ感覚で向かった。 特選句は、自由で元気なところを評価した。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　新家完司
	赤松ますみ選
1	トップギアそのまま宙へ飛びたった	斉尾くにこ
2	清涼感残して視界から消えた	内田　厚子
3	振り切って逝ってしまったナイスガイ	藤原　鬼桜
4	君の背を追いかけている呼んでいる	荒巻やむ茶
5	この先で待ってるはずの焼き芋屋	青砥和子
6	ゴールするまではどうにも止まらない	高浜　広川
7	笑いつつ行く止まるのも走るのも	杉山　太郎
8	タケコプター自由自在な選択肢	孝井　栞
9	生き方を変えると九十九折りになる	和田　洋子
10	結界の空が傾くクラクション	斉藤　綺羅
11	ポールには毎日水をやってるが	井丸昌紀
12	天国へ行く検問に引っかかる	瀬田　明子
13	立ち竦むこの世あの世の境目で	斉藤　綺羅
14	回転禁止の青春カーブ曲がります	青砥たかこ
15	断たれても断たれてもまだ道はある	平井美智子
16	左手が　右手信用しないから	古今堂蕉子
17	男ですバカです知っていますとも	松田　夕介
18	擦れ違うＳ字カーブの真ん中で	柴田比呂志
19	生ぬるい傾斜この先より雨の	笹田かなえ
20	楢山は左折原発は右折です	丸山　　進
秀句2	字の読める鳥が時々来てとまる	板垣　孝志
秀句1	シリアとは違うドイツのお月さま	濱山哲也
特選	一億はあるが六文銭がない	石川　憲政
	選後感
追悼句会ということで、鰹さんを偲ぶ作品も多く見うけられました。投句一句一句に鰹さんへの深い思いを感じ、そしてその思いを共有させていただきながらの選でした。 道路標識、分かれ道、といったシーンからさまざまに展開されたイメージの中でも秀句の「字の読める鳥」「ドイツのお月さま」、そして特選の「六文銭」を登場させた発想の非凡さには脱帽。鰹さんにもきっと楽しんでもらえたネット句会だったのではないでしょうか。 貴重な機会を頂戴できたことに感謝いたします。　赤松ますみ
	板垣孝志選
1	停止線越えてしまったわたしたち	樋口  りゑ
2	人生の標識くれた友がいる	杉山　太郎
3	どこまでも走り続けて風になる	まみどり
4	穏やかさまとってウエストのライン	斉尾くにこ
5	止まるのにためらいがある昨日今日	高浜　広川
6	止めないで海の向こうに行きたいの	樋口  りゑ
7	未体験ゾーンへ棹をさしてみる	和田　洋子
8	五十の僕が頂上前でしゃがんでる	月波　与生
9	回遊魚にストップなんてそれは酷	内田　厚子
10	左手が　右手信用しないから	古今堂蕉子
11	印籠にひざまずかずに生きている	門脇かずお
12	ダッシュするために確り停止する	寺部　水川
13	銃口に向いて食べてはいけません	工藤　青夏
14	集めては売りますストップ看板	西村みなみ
15	決めました止まれ無視したその日から	古賀由美子
16	直情な命令形に救われる	森山　文切
17	少子化の逆三角が止まらない	三上　武彦
18	生き方を変えると九十九折りになる	和田　洋子
19	ここはまだ戻れるところどうします	ひとり静
20	止まったら一緒に泣いてくれますか	まみどり
秀句2	サクラサクまでは面会謝絶です	赤松ますみ
秀句1	かなしくなるくらいとまれの連続	ひとり静
特選	ポールには毎日水をやってるが	井丸昌紀
	選後感
特選＝背の低い標識に水、発想とおとぼけが秀逸。アベノミクスを思い出す。 　秀1＝人生そのもの。　秀２＝停止線を越えてまで逢いたい想い。 　　印象吟の課題ながらも追悼イメージの句が多かったのは 故人の遺したものの大きさ、頑張れ「たかね」　板垣孝志
	小林信二郎選
1	楢山は左折原発は右折です	丸山　　進
2	Ｒ１８案山子のように立っている	濱山哲也
3	人妻のデルタ地帯は地雷原	新家　完司
4	回遊魚にストップなんてそれは酷	内田　厚子
5	覚悟した道だ止まらず前を行く	孝井　栞
6	男ですバカです知っていますとも	松田　夕介
7	止まれない後は宇宙へ翔ぶばかり	西垣こゆき
8	炎の恋は警告無視で突っ走る	沢田　正司
9	そのさきを追ってはならぬ白昼夢	澁谷さくら
10	かなしくなるくらいとまれの連続	ひとり静
11	ブレーキが効かなくなったふたり乗り	澁谷さくら
12	行儀よい恋ならはじめからしない	? 春田あけみ
13	気づけない命令形は愛だって	徳長　　怜
14	トップギアそのまま宙へ飛びたった	斉尾くにこ
15	放課後の部室　天邪鬼の君へ	菊池　　京
16	イヤリング落としてきたわバックして	東川和子
17	銃口に向いて食べてはいけません	工藤　青夏
18	踏切でジャンプあなたも風になる	中矢　長仁
19	決めました止まれ無視したその日から	古賀由美子
20	振り切って逝ってしまったナイスガイ	藤原　鬼桜
秀句1	校則を破りクジラを追いかける	門脇かずお
秀句2	ブレーキを踏むと知らない穴にいた	日下部敦世
特選	ちょっぴり素敵なオーバーランの恋	水品　団石
	選後感
山梨県大会に乗り込んで来たのが、昨日のように思い出されます、 鰹君とタ介君が大きなオナラを２発放って去りました、妬ましくも感じましたが良い思い出を残してくれました、こんなに早く「追悼ネット 句会」になるとは、残念です。　 　今回の投句が余り湿っぽいのが無かったのが救いでした、 「鰹の追悼」 　恋の句を特選に取らせて頂きました。　　　　　　　　小林信二郎
	望月　　弘選
1	チキンレース今日も銀河の埠頭にて	菊池　　京
2	ちょっぴり素敵なオーバーランの恋	水品　団石
3	エンジンは背広の下にある微熱	藤田めぐみ
4	サクラサクまでは面会謝絶です	赤松ますみ
5	そのさきを追ってはならぬ白昼夢	澁谷さくら
6	とおりゃんせふたりの愛は止まらない	? 春田あけみ
7	トップギアそのまま宙へ飛びたった	斉尾くにこ
8	まぼろしを全速力で追っかける	藤原　鬼桜
9	やあやあと宇宙の風がご挨拶	青砥たかこ
10	右折避け左折ばかりで行く若葉	飲亭みるく
11	炎の恋は警告無視で突っ走る	沢田　正司
12	仮の世のマイナンバーがひっかかる	赤松ますみ
13	海みえる手前で母が旗をふる	句ノ一
14	君の背を追いかけている呼んでいる	荒巻やむ茶
15	削除キー揺らぐあなたを待っている	河内谷恵
16	止まれとはご無体な回遊魚です	丸山　　進
17	新しい春のページに行く二人	真田　義子
18	踏切でジャンプあなたも風になる	中矢　長仁
19	病室は峠の茶屋のようなもの	石川　憲政
20	未体験ゾーンへ棹をさしてみる	和田　洋子
秀句1	この指に止まれと言った指が逝く	平尾　正人
秀句2	若さかな信号無視のひとり旅	山口艸花
特選	結界の空が傾くクラクション	斉藤　綺羅
選後感　　　 ここから先は行っては駄目だというのに、禁断の木の実を求めて 逝ってしまった鰹さんに、沢山の句を寄せて頂きありがとうございました。 　彼の愛した「たかね」は、みんなで守っていきます。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　弘

当ＢＢＳに投稿があったものを掲載しています。（この下に追悼句の掲載があります。）

総投句数172句
参加者人数90名
追悼句60句

参加された方、追悼の句を寄せていただいた方、川柳を初めて投句された方もおりました。たくさんの投句、ありがとうございました。
又、忙しい中選者を快く引き受けていただきました選者先生方、改めて感謝申し上げます。
鰹ちゃんもきっと喜んでいると思います。今回は追悼ということもあり、順位付けはしません。みなさんの一句一句をじっくり味わい鰹ちゃんへの追悼としたいと思います。
鰹ちゃん、ありがとう！！こんなことくらいしかできなかったけど・・・
最後にちょびっとだけ投句された方にお願いがあります。それは、加藤鰹追悼誌上句会平成２８年５月２１日必着への参加のお願いです。
よろしくお願い申し上げます。